厳しい自然環境で生きる菌は強いかもしれない
「厳しい自然環境で生きる菌は、きっと強いはず」——研究を続ける中で、そんな仮説が少しずつ輪郭を帯びてきました。Dr.リラ子が目を向けたのは、北海道の初夏を彩る美しい花、 ライラック 。なぜ数ある植物の中からライラックだったのでしょうか。
この記事では、ライラックという植物が持つ背景や、Dr.リラ子が注目したポイントをたどりながら、ライラックと乳酸菌の出会いにつながる「前夜」をお届けします。
「狙った菌をピンポイントで採る」―仮説が導いた次の一手
Dr.リラ子の関心は、単に“見つかりやすい場所”ではなく、 生き抜く力を持つ微生物が潜んでいそうな環境 に向かっていきました。
北海道は、寒暖差が大きく、季節によって気温や湿度が大きく変化します。そうした土地では、植物も微生物も日々環境の変化にさらされます。
しかしDr.リラ子はやみくもに乳酸菌を採ろうとしたわけではありません。そこには緻密な計画がありました。
つまり、これまでの経験の中で最も効果が高いと考えられた菌をピンポイントで採る計画です。
人が摂取する乳酸菌は安全な菌でなければなりません。つまり食経験があるということが重要です。
次に腸の奥まで生きて届く強さが必要です。多くの乳酸菌は胃酸などで大方が腸に届く前に死んでしまうのです。
強くて安全で働き者の乳酸菌。それが目指す乳酸菌です。
そのような条件を考えた時、Dr.リラ子の脳裏には明確なターゲットが焼き付いていました。それが「有胞子性乳酸菌」です。
Dr.リラ子が選んだのは「札幌の花」ライラック
“強い菌”がどこにいるのか。そう考えたとき、北海道という舞台は、とても魅力的な土地です。
北海道の自然の中で元気な菌を探す——Dr.リラ子が着目したのが、 札幌市の花としても知られるライラック でした。
ライラックは、紫色の花が印象的で、初夏になると街のあちこちで見かける存在です。
でも、なぜライラックだったのでしょうか。
どうせなら美しい花から採りたい
菌は出身が大切です。普通の乳酸菌やビフィズス菌は、主に赤ちゃんのウンチからとります。そのほかに漬物や植物についている菌を採ることもあります。どうせ採るなら美しい花から採ってあげたい。Dr.リラ子はそう考えました。
環境中で土埃をかぶっても元気な植物
植物には、根や葉だけでなく、花にも微生物が関わっています。花は外気に触れやすく、土埃をかぶって、温度や湿度、風、雨、日光などの影響を受けやすい部分。「強い菌は、厳しい場所にいる」可能性があります。
それでも毎年同じように咲き、私たち人と同じ 環境に適応した微生物が存在している と考えられます。
「この美しい花の中に、人の健康に影響する乳酸菌がいるかもしれない」
“見つける”よりも“出会う”―探し始めた日々
こうしてDr.リラ子は、新しい乳酸菌を探し始めます。
そんな時、意外と身近なところで、それが実現します。
研究所では、いくつもの研究テーマが進行していました。
オカラを研究中の会社社長(のちにアテリオ・バイオ社長)に相談すると、家の畑の隣にライラックがたくさん咲いているというではありませんか。
これは願ったりかなったり。まさに条件にぴったりです。
ついに採取されたライラックの花は、研究所へと運ばれていきます。
ここから先は、「仮説」が「手応え」に変わる瞬間が待っていました。
花の中には、どんな微生物がいるのか。乳酸菌は本当に見つかるのか。
まとめ:なぜライラックだったのか、その答えは“出会い”にあった
ライラックが選ばれた理由は、ひとつの決定的な根拠というよりも、いくつもの条件が重なって生まれた「一期一会の出会い」だったように見えます。
- 北海道という厳しい環境に適応した菌がいるかもしれない
- どうせなら美しいライラックの花から採りたい
- 身近な自然環境の中に、狙いの乳酸菌が潜んでいる可能性がある
次回はいよいよ、研究所での“感動の発見”へ。ライラックの花が運んできたものは何だったのか——物語は、ここからさらに動き出します。







